プロローグ
Sakana AI(サカナAI)について調べていると、何度も「Google」という名前が出てきます。
創業者は元Google。
Transformerを開発した研究者もいる。
さらにGoogleがSakana AIへ出資したというニュースまであります。
ここまでGoogleが出てくると、
「Sakana AIってGoogleの会社なの?」
「Googleから独立した会社?」
「Geminiを作っているチームと関係あるの?」
と気になりますよね。
結論からいうと、Sakana AIはGoogleの子会社ではありません。
独立した日本のAI企業です。
ただし、2026年現在はGoogleから実際に出資を受け、戦略的パートナーシップを締結。さらにGeminiやGemma、Google Cloudなどを研究開発・サービスへ活用しています。
しかもSakana AIの創業者2人は元Google研究者です。
つまり、
「昔から人でつながり、今は資本と技術でもつながっている」
という、かなり深い関係なんです。
Sakana AIとGoogleの関係を、時系列から分かりやすく整理してみましょう。
Sakana AI(サカナAI)とGoogleの関係は?まず結論を整理
まず、「Sakana AI Google 関係」で検索した人が一番知りたいところをまとめます。
| 疑問 | 答え |
|---|---|
| Sakana AIはGoogleの会社? | いいえ。独立した日本企業 |
| Googleの子会社? | いいえ |
| GoogleはSakana AIへ出資している? | はい |
| 提携している? | はい。2026年1月に戦略的パートナーシップを発表 |
| 創業者は元Google? | David Ha氏とLlion Jones氏が元Google研究者 |
| Geminiと関係ある? | あり。Sakana AIが研究・製品開発へ活用 |
| Google Cloudも使っている? | あり。サービス基盤にも採用例がある |
Sakana AIは2023年に東京で設立された独立系AI企業です。
Googleが設立した会社でも、Googleから分社化された会社でもありません。
しかし2026年1月23日、Sakana AIはGoogleとの戦略的パートナーシップ締結とGoogleからの資金調達を正式に発表しました。
つまり現在の関係は、
「元Google研究者が作った独立企業」
から、
「Google自身も出資する戦略的パートナー」
へ一段深くなっています。
ここはかなり重要な変化です。
GoogleはSakana AIの海外投資家として、同社公式の投資家一覧にも掲載されています。
ただし、出資額や保有株式比率は公式には公表されていません。
そのため、
「GoogleがSakana AIを支配している」
「実質Google傘下になった」
とまで言う根拠はありません。
ここは分けて考える必要があります。
Sakana AIの創業者は元Google!David HaとLlion Jonesのつながり
Sakana AIとGoogleの関係を理解するなら、まず創業者を見る必要があります。
Sakana AIの共同創業者は、
- David Ha(デイビッド・ハ)氏
- Llion Jones(リオン・ジョーンズ)氏
- 伊藤錬(Ren Ito)氏
の3人です。
このうちDavid Ha氏とLlion Jones氏が、GoogleのAI研究に深く関わっていました。
David Ha氏は元Google Brain
Sakana AIのCEOを務めるDavid Ha氏は、GoogleでResearch Scientistとして勤務し、Google Brainの日本研究チームを率いていました。
研究テーマは、
- 自己組織化システム
- AIの自己進化
- 生成AI
など。
Sakana AIが現在研究している、
「生物の進化をAIへ応用する」
「複数のAIを組み合わせる」
という考え方ともつながっています。
つまりDavid Ha氏は、
Google時代にAI研究をしていた人物が、その延長線上で自分たちの研究所を作った
という位置づけに近いでしょう。
Llion Jones氏はTransformer論文の共同著者
もう一人がLlion Jones氏です。
Jones氏はGoogleに10年以上在籍し、2017年に発表された有名な論文
「Attention Is All You Need」
の共同著者の一人です。
この論文で提案されたTransformerは、現在のChatGPTやGeminiなど大規模言語モデル発展の基礎となった技術です。
ここは誤解しやすいところですが、
Llion Jones氏が一人でTransformerを発明したわけではありません。
論文は8人の共同研究者によって発表されています。
それでも、生成AIの歴史を語るうえで非常に重要な研究者の一人であることは確かです。
そして面白いのは、Jones氏がGoogleを離れてSakana AIを作った後、再びGoogleと協力する関係になったことです。
Googleで研究。
Googleを退社。
Sakana AIを創業。
そして数年後、GoogleがSakana AIへ出資。
かなり面白い巡り合わせです。
GoogleはSakana AIに出資!2026年の戦略的パートナーシップとは
Sakana AIとGoogleの関係が大きく変わったのが2026年1月23日です。
Sakana AIは公式に、
Googleとの戦略的パートナーシップ締結
を発表しました。
同時にGoogleから資金調達も実施しています。
Googleの出資額は公表されていません。
ただし単純な株式投資だけではなく、かなり具体的な協業内容が示されています。
大きく分けると3つです。
| 提携内容 | 何をする? |
|---|---|
| GoogleのAIモデル活用 | Gemini・Gemmaを研究や製品開発へ利用 |
| AI製品の品質向上 | Sakana AI側からGoogleへ技術的フィードバック |
| 日本企業・政府へのAI実装 | Googleのプラットフォームも利用して展開 |
Sakana AI公式によると、GeminiやGemmaを自社技術・製品開発へ活用し、「AI Scientist」やAIエージェント研究にもGoogleのモデルエコシステムをさらに統合していく方針です。
つまりGoogle側は、
AIモデル・クラウド・インフラ
を持っています。
一方のSakana AIは、
研究力と日本市場への実装力
を持っている。
お互いの足りないところを補う形です。
海外報道では、この提携がGoogleのGeminiを日本で普及させる意味も持つと分析されています。Bloombergは、Googleによる出資がGeminiの日本市場での存在感を高める可能性を報じています。
ここは非常に興味深いところです。
GoogleがSakana AIへ単にお金を出したのではなく、
「日本市場へAIを広げるパートナー」として見ている可能性がある
わけです。
Sakana AIはGeminiを使っている?Google Cloudとの関係も深い
「Sakana AIって独自AIを作っている会社なのに、GoogleのGeminiを使うの?」
ここは少し不思議に感じるかもしれません。
でも実際には使っています。
Sakana AI公式は、Googleとの提携でGeminiとGemmaを研究・製品開発へ活用すると明記しています。
しかも関係はモデルだけではありません。
Google Cloud公式には、Sakana AIの導入事例も掲載されています。
そこではSakana AIが開発したマルチエージェントサービス「Sakana Fugu」で、Gemini Enterprise Agent Platformをサービス基盤として採用したことが紹介されています。
Google Cloudによると、
- 複数モデルを一つの仕組みで扱える
- トラフィック集中時にも安定した応答
- GPU運用負担を減らせる
- 自動スケーリングが可能
といったメリットを活用しています。
つまり現在のSakana AIは、
全部を自前で作る会社ではありません。
GoogleのGemini。
GoogleのGemma。
Google Cloud。
必要な技術は利用しながら、その上にSakana AI独自の研究やマルチエージェント技術を載せています。
ここはAI業界を見るうえでも重要です。
「競合企業の技術を使ったら負け」
という単純な世界ではありません。
AI企業同士が、
競争しながら、
出資しながら、
クラウドを使いながら、
モデルも使う。
かなり複雑につながっています。
Sakana AIとGoogleも、まさにその関係です。
GoogleはなぜSakana AIに出資した?敵ではなく日本市場のパートナーなのか
ここからは確認できた事実を基にした考察です。
Googleほど巨大なAI企業が、なぜ日本のSakana AIへ投資するのでしょうか。
Sakana AI公式の説明では、Googleは同社の技術力と、日本でAI研究成果を実社会へつなげる能力を評価したとされています。
しかしビジネス面から見ると、もう一段理由が見えてきます。
Googleは、
- Gemini
- Gemma
- Google Cloud
など巨大なAI基盤を持っています。
ところが、AIモデルを持っているだけでは、日本の銀行や政府機関へ簡単に導入できるわけではありません。
日本企業特有の業務。
規制。
セキュリティ。
データ管理。
日本語。
既存システム。
こうした現場側の問題があります。
そこでSakana AIが入ります。
Sakana AIはMUFGなど日本の金融機関とAI開発を進め、防衛・公共分野へのAI実装にも動いています。
つまりGoogleから見ると、
Sakana AIは「日本の難しい現場までAIを持っていける会社」
として価値がある可能性があります。
逆にSakana AI側から見れば、
世界最高クラスのAIモデルやクラウドインフラを自社だけでゼロから用意する必要がありません。
Googleの巨大な基盤を使いながら、
Sakana AIは自分たちが得意な、
- AIの自己進化
- マルチエージェント
- AI Scientist
- 日本向けAI
- 企業・政府への実装
へ集中できます。
ここは「Google対Sakana AI」という見方より、
Google=巨大なAI基盤
Sakana AI=日本でそのAIを組み替え、研究し、社会へ持っていく機動部隊
と見ると分かりやすいでしょう。
ただし、Sakana AIがGoogle専属になったわけではありません。
同社にはNVIDIA、Citi、Salesforce Ventures、MUFGなど多数の投資家・パートナーがいます。
したがって現時点では、
「Sakana AIはGoogle陣営になった」
とまで単純化するのも少し違います。
独立性を維持しながら、巨大テック企業の資本・モデル・インフラを利用する。
この距離感そのものが、Sakana AIの戦略の一つなのかもしれません。
総集録
Sakana AI(サカナAI)とGoogleの関係を調べると、単なる「元Google社員が作った会社」という話ではありませんでした。
2026年現在の関係をまとめると、
- Sakana AIはGoogleの子会社ではない
- 2023年に東京で設立された独立企業
- CEOのDavid Ha氏は元Google Brain研究者
- CTOのLlion Jones氏も元Google研究者
- Jones氏はTransformer論文の共同著者
- 2026年1月、Googleと戦略的パートナーシップを締結
- GoogleからSakana AIへの出資も実施
- Sakana AIはGemini・Gemmaを研究や製品開発へ活用
- Google Cloudの基盤も実サービスへ採用
- 金融や政府など日本の基幹産業へのAI導入でも協力
という関係です。
つまり、
昔は「人」でつながっていた。現在は「人+資本+技術+インフラ」でつながっている。
これが一番分かりやすいでしょう。
そして興味深いのは、GoogleがSakana AIを飲み込んだわけではないことです。
Sakana AIはGoogleのモデルを使いながら、自分たち独自のAI研究を続けています。
Googleにとっては、日本市場へAIを広げるための重要なパートナー。
Sakana AIにとっては、世界最大級のAI基盤を利用できる強力なパートナー。
競争相手にもなり得るAI企業同士が、同時に協力もする。
Sakana AIとGoogleの関係は、今のAI業界が「敵か味方か」だけでは説明できなくなっている象徴的な事例なのかもしれません。
よくある質問Q&A
Q1.Sakana AIはGoogleの子会社ですか?
いいえ。Sakana AIは独立した日本企業です。Googleは投資家・戦略的パートナーの一社ですが、Sakana AIがGoogle傘下になったという公式発表はありません。
Q2.GoogleはSakana AIに出資していますか?
はい。Sakana AIは2026年1月23日、Googleとの戦略的パートナーシップ締結と同時に、Googleから資金調達を行ったことを発表しました。ただし出資金額や持株比率は公表されていません。
Q3.Sakana AIの創業者はGoogle出身ですか?
共同創業者3人のうち、David Ha氏とLlion Jones氏が元Google研究者です。David Ha氏はGoogle Brain日本研究チームを率い、Jones氏はTransformerを発表した論文の共同著者です。
Q4.Sakana AIはGoogle Geminiを使っていますか?
はい。Sakana AIはGeminiやGemmaを研究・製品開発へ活用すると公式に発表しています。またGoogle Cloudの導入事例では、Sakana Fuguの基盤としてGoogleのAIプラットフォームを採用したことも紹介されています。
Q5.Googleは将来Sakana AIを買収するのでしょうか?
2026年9月時点で、GoogleによるSakana AI買収を示す公式発表は確認できません。現在確認されているのは出資と戦略的パートナーシップです。将来的な買収については推測の域を出ません。


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